土を練るたび心が和む
ろくろの上で 両(ふたつ)の手が動く
粘土を相手に十本の指が
右に左にぎこちない
もっと器用に動かぬものか
ピアニストの指が鍵盤上を
しなやかに舞うが如く
私の指も舞いあがれ
願う気持ちと裏腹に
自分の指は動きが鈍い
それでもやがては形ができる
不細工ながらも器となった
頬がくずれて笑みこぼれ
泥んこ遊びは愉しいものだ
窯入れ窯出し焼き上がり
粘土の塊が器となった
ひとつひとつの作品に
気持ちを込めた愛がある
手の温もりが伝わってくる
心をこめた手作り品の
味わい深さが伝わってくる
陶ふくろう庵 : 庵主
おやいづ ただし