お地蔵さま
 宮の裏のお地蔵さま (1)

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 瓦町のお宮さん(神社)の北裏の辻に、長い長い年月、路傍にたたずみ、世の中の出来事をじっと黙って見つめてきた小さな地蔵がおいでになる。いつも、やさしいお顔で、世の人々の心のよりどころとなり、人々の幸せを願い見守り続けてくださる小さな地蔵さまの何体かを祀った地蔵堂があります。

 ここのお地蔵さまは大変なご利益があると評判で、今も毎日、線香の煙が立ちのぼり、お灯明(蝋燭・ろうそく)が灯され、供花・供物を手にした人々が次々と地蔵参りに訪れています。そんな宮の裏のお地蔵さまにまつわる、昔話を紹介しましょう。


地蔵さま
 昔々のことです。弥次郎兵衛(弥次さん)と喜多八(喜多さん)という江戸の町人二人が、お江戸日本橋を振り出しに、東海道五十三次を京都まで珍道中(徒歩の旅)を繰り広げるおなじみの「東海道中膝栗毛」にも出てくる二川宿と吉田宿。その二つの宿場の真ん中あたりに、瓦を作る職人さんたちが住む町、瓦町があります。

その東海道の道沿いから少し北に入った所にお宮さん(宮本村の宮本神社・現在の瓦町神社)があり、その北裏の辻に、いつ頃からか定かでないが、小さな可愛らしい六体の地蔵が祀られていたそうな。村の人たちは、お地蔵さまを大切にし、一生懸命に地蔵信仰をしていました。

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